区分所有法7条の先取特権に基づく競売

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滞納管理費回収の手段として区分所有法7条の先取特権に基づく競売が有効かについてですが、私は否定的に考えています。

なぜなら、区分所有法7条の先取特権は、共益費用の先取特権とみなされますので(区分所有法7Ⅱ)、一般の先取特権ということになり(民法306①)、「一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。 」とされていますので(民法335Ⅰ)、いきなり対象区分建物の競売をすることはできず、まずその区分建物に備え付けられた動産について、先取特権の行使をしてからでなければ、不動産の競売をすることができないからです。

動産に対する先取特権の行使は不奏功に終わることがほとんどですので、無駄な手続を踏まなければならないということですが、それにも当然、手続費用(数万円)や弁護士費用(数万円~10数万円)がかかります。また、手続に必要な資料も管理費等請求訴訟と同程度の資料を提出しなければなりませんので、手間としても変わりません。

そうだとすれば、はじめから、管理費等請求訴訟を提起し、強制執行の方法で回収した方が費用や手間も安く済む可能性があり、合理的なのではないかと思われます。

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