滞納管理費回収の内容証明郵便の文面(コピペ可)

滞納管理費の回収業務における内容証明郵便送付のメリット・デメリットについては別記事(滞納管理費回収と内容証明郵便)で解説を行いましたが、どうしても専門家に頼む前に独自で滞納者に対して内容証明郵便を送付したいという組合様向けに内容証明郵便の素案を作成してみました。

ご自由にコピペしていただいて構いませんので、内容証明郵便の字数・行数制限等(郵便局HP)に従って文書を作成し、滞納者に対して内容証明郵便を送付してください(必ず配達証明を付けるようにしてください。)。wordだと例えば20字26行で設定をしても、句読点などの関係で文字数が超過してしまう可能性がありますので、19文字26行にするなどして字数・行数制限をオーバーしないように気をつけてください。また、下記の素案には記載しておりませんが、相手方の住所・氏名、管理組合様の住所・名称・代表者氏名を記載するようにしてください。形式的なところは郵便局の方に聞いていただければ回答してもらえるはずです。

内容証明郵便を送付しても効果がない場合(滞納の初期でなければあまり効果は望めないと思います。)、滞納管理費の回収を弁護士に委託することをご検討ください。

当事務所では管理費滞納問題に関しては無料で相談を受け付けておりますので、まずはお問い合わせフォームよりご相談ください。
本記事では内容証明郵便の文案を紹介しましたが、当事務所に滞納管理費の回収を依頼していただければ、回収報酬25%(税別)のみで内容証明郵便作成手数料は無料でございますので(実費は別途かかります。)、ご検討いただけますと幸いです。

 

通知書

 

当管理組合は、貴殿に対し以下のとおり通知いたします。

貴殿は、●●マンション●号室の管理費等を滞納されていますが、その合計は、遅延損害金を含めると平成●年●月●日時点で●●●●円となっております。

当管理組合は貴殿に対し、ただちに下記口座まで滞納管理費等の支払をされることを求めます。

なお、上記の金額は平成●年●月●日時点までのものであり、その後、遅延損害金等が加わりますので、必ず支払日時点での滞納額を当管理組合に確認の上でお支払をお願いいたします。

また、貴殿からの支払がない場合、当管理組合としては法的措置を講じざるを得ないことを申し添えます。

 

1.銀行名  ●●●●銀行

2.支店名  ●●支店

3.口座種別  ●●(普通など)

4.口座番号  ●●●●●●

5.口座名義  ●●●●●●

以上

行方不明の管理費滞納者に対する滞納管理費の請求

管理費を滞納している区分所有者が行方不明の場合でも、管理費の回収をすることはできます。

まず、滞納者の住民票の写し等を取得し住所を調べる必要があります。

住民票の写し等は第三者でも取得することが可能です。

滞納者の住民票の取得の方法ですが、まず、管理費の滞納があるマンションの部屋の登記事項証明書(不動産登記簿謄本)を取得します。
次にそこに所有者として登記されている者の住所が記載されていますので、その市区町村に滞納者の住民票の写し等の交付の申出をします。
住民票の写し等の交付の申出にはその利用の目的等を明らかにするために市町村長が適当と認める書類を提出してしなければならないとされており、滞納管理費の請求のために滞納者の住民票が必要であることを明らかにする書類(市区町村によって異なりますので各市区町村にお問い合わせください。)を提出する必要があります。

なお、住民票の写し等の取得は弁護士に滞納管理費の回収を委託すれば、弁護士の職務上請求によって簡単にすることができます。

住民票上の住所が判明したら、その住所に書面を送付します。
住民票所の住所が管理費の滞納があるマンションのままであったり、住民票上の住所に送付した書面が返送された場合には、滞納者に対する滞納管理費の支払請求訴訟を検討することになります。

滞納者が行方不明であっても、公示送達という方法で滞納者に訴状を送達することができますので、訴訟を提起することは可能です。
公示送達とは、裁判所の掲示場に訴訟が提起されたことなどを掲示し、掲示を始めた日から2週間を経過することによって、送達の効果が発生するものです。
公示送達を必要とすること以外は、滞納者が行方不明の場合でも通常の滞納管理費の回収の場合と同様の手続を取ることになります。

なお、行方不明者に対する区分所有法59条(58条3項を準用)の弁明の機会の付与に公示送達が必要か否かについてですが、区分所有法は総会の招集通知に関し、「区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。 」と定めているところ(35条3項)、区分所有法59条は弁明の機会さえ与えれば足りるものですから、区分所有法59条1項の決議を行う際の総会の招集通知に滞納者に総会の場で弁明の機会を与える旨を記載しておけば、滞納者に公示送達まで行わなくとも、区分所有法35条3項の定める場所に招集通知を送付すれば、弁明の機会を付与したことになると解されます。

【参照条文】

住民基本台帳法

(本人等以外の者の申出による住民票の写し等の交付)
第十二条の三  市町村長は、前二条の規定によるもののほか、当該市町村が備える住民基本台帳について、次に掲げる者から、住民票の写しで基礎証明事項(第七条第一号から第三号まで及び第六号から第八号までに掲げる事項をいう。以下この項及び第七項において同じ。)のみが表示されたもの又は住民票記載事項証明書で基礎証明事項に関するものが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該申出をする者に当該住民票の写し又は住民票記載事項証明書を交付することができる。
一  自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者
二  国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある者
三  前二号に掲げる者のほか、住民票の記載事項を利用する正当な理由がある者
2  市町村長は、前二条及び前項の規定によるもののほか、当該市町村が備える住民基本台帳について、特定事務受任者から、受任している事件又は事務の依頼者が同項各号に掲げる者に該当することを理由として、同項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書が必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該特定事務受任者に当該住民票の写し又は住民票記載事項証明書を交付することができる。
3  前項に規定する「特定事務受任者」とは、弁護士(弁護士法人を含む。)、司法書士(司法書士法 人を含む。)、土地家屋調査士(土地家屋調査士法 人を含む。)、税理士(税理士法人を含む。)、社会保険労務士(社会保険労務士法 人を含む。)、弁理士(特許業務法人を含む。)、海事代理士又は行政書士(行政書士法 人を含む。)をいう。
4  第一項又は第二項の申出は、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
一  申出者(第一項又は第二項の申出をする者をいう。以下この条において同じ。)の氏名及び住所(申出者が法人の場合にあつては、その名称、代表者又は管理人の氏名及び主たる事務所の所在地)
二  現に申出の任に当たつている者が、申出者の代理人であるときその他申出者と異なる者であるときは、当該申出の任に当たつている者の氏名及び住所
三  当該申出の対象とする者の氏名及び住所
四  第一項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書の利用の目的
五  第二項の申出の場合にあつては、前項に規定する特定事務受任者の受任している事件又は事務についての資格及び業務の種類並びに依頼者の氏名又は名称(当該受任している事件又は事務についての業務が裁判手続又は裁判外手続における民事上若しくは行政上の紛争処理の手続についての代理業務その他の政令で定める業務であるときは、当該事件又は事務についての資格及び業務の種類)
六  前各号に掲げるもののほか、総務省令で定める事項
5  第一項又は第二項の申出をする場合において、現に申出の任に当たつている者は、市町村長に対し、個人番号カードを提示する方法その他の総務省令で定める方法により、当該申出の任に当たつている者が本人であることを明らかにしなければならない。
6  前項の場合において、現に申出の任に当たつている者が、申出者の代理人であるときその他申出者と異なる者であるときは、当該申出の任に当たつている者は、市町村長に対し、総務省令で定める方法により、申出者の依頼により又は法令の規定により当該申出の任に当たるものであることを明らかにする書類を提示し、又は提出しなければならない。
7  申出者は、第四項第四号に掲げる利用の目的を達成するため、基礎証明事項のほか基礎証明事項以外の事項(第七条第八号の二及び第十三号に掲げる事項を除く。以下この項において同じ。)の全部若しくは一部が表示された住民票の写し又は基礎証明事項のほか基礎証明事項以外の事項の全部若しくは一部を記載した住民票記載事項証明書が必要である場合には、第一項又は第二項の申出をする際に、その旨を市町村長に申し出ることができる。
8  市町村長は、前項の規定による申出を相当と認めるときは、第一項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書に代えて、前項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書を交付することができる。
9  第一項又は第二項の申出をしようとする者は、郵便その他の総務省令で定める方法により、第一項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書の送付を求めることができる。

 

住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付に関する省令

(本人等以外の者の住民票の写し等の交付の申出の手続及び申出につき明らかにしなければならない事項)
第十条  法第十二条の三第一項 又は第二項 の規定による住民票の写し等の交付の申出は、同条第四項 各号及び次項に掲げる事項を明らかにするため市町村長が適当と認める書類を提出してしなければならない。この場合において、市町村長が必要と認めるときは、同条第四項第四号 の事項を証する書類の提示又は提出を求めるものとする。
2  法第十二条の三第四項第六号 に規定する総務省令で定める事項は、同条第九項 の規定に基づき住民票の写し等の送付を求める場合において、申出者の住所又は主たる事務所の所在地以外の場所に送付することを求めるときは、その理由及び送付すべき場所とする。

 

民事訴訟法

(公示送達の要件)
第百十条  次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。
一  当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
二  第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
三  外国においてすべき送達について、第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合
四  第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
2  前項の場合において、裁判所は、訴訟の遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達をすべきことを命ずることができる。
3  同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第一項第四号に掲げる場合は、この限りでない。

(公示送達の方法)
第百十一条  公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。

(公示送達の効力発生の時期)
第百十二条  公示送達は、前条の規定による掲示を始めた日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。ただし、第百十条第三項の公示送達は、掲示を始めた日の翌日にその効力を生ずる。
2  外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、六週間とする。
3  前二項の期間は、短縮することができない。

 

建物の区分所有等に関する法律

(招集の通知)
第三十五条  集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
2  専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。
3  第一項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。
4  建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。
5  第一項の通知をする場合において、会議の目的たる事項が第十七条第一項、第三十一条第一項、第六十一条第五項、第六十二条第一項、第六十八条第一項又は第六十九条第七項に規定する決議事項であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。