マンションにおいて管理費滞納が発生した時の登記事項の調査について
マンションにおいて管理費滞納が発生した場合、まずそのマンションの管理会社がそれを把握し、管理組合の理事会にてその報告がなされるというのが通常だと思います。
それでは、マンションにおいて管理費滞納が発生した場合、管理会社や管理組合の理事会としては、まずどのような調査をすべきなのでしょうか。
まずは、組合員名簿によって届出がなされている連絡先や住所などを調査します。
この情報は元々管理組合が持っている情報ですので調査は容易にできます。
次に、滞納が発生している部屋の登記事項を調査します。
登記事項の調査方法
登記事項を調査する方法としては、①法務局に行って登記事項証明書を取得する、②オンライン申請や郵送申請にて登記事項証明書を取得する、③インターネットで登記情報を取得するという方法があります。
おすすめの方法は③の登記情報提供サービスを利用する方法です。
①と②は登記事項証明書の原本が必要な場合には利用しますが、登記事項を調査するだけであれば、登記情報提供サービスが一番楽ですし、早いです。
慣れていれば2,3分で登記情報を調べることができます。
裁判所に提出する必要があるなど登記事項証明書の原本が必要な場合は、①か②の方法をとることになりますが、法務局に行くのは面倒ですので、よほど急いでいない限り、オンライン申請にて登記事項証明書の請求をするのが楽です。
法務局もオンライン申請や登記情報提供サービスの利用を強く薦めています。
注意しなければならないのはインターネットを利用する方法も平日の日中(8時30分から21時まで)までしか使えないということでです。
土日や夜(21時以降)に調査をしようと思ってもできませんので注意が必要です。
土日や夜間しか作業ができないという方は郵便による申請しか方法がありません。
登記情報から分かること
さて、登記情報からどのような情報を得ることができるのでしょうか。
まず第一に管理費を滞納している区分所有者が誰かということが分かります。
当たり前のように感じるかもしれませんが、そうではありません。
区分所有者が変更していることもありますし、管理組合に届け出をしている人とは別の人が区分所有者だったり、共有の場合があり得るからです。
次にその区分所有者の住所が分かります。
ただし、その住所は登記時のものなので、その後の変更を反映していない可能性があります。
管理費を滞納している区分所有者とその住所が分かれば、その住所に管理費の請求書を送付することができます。
さらに、税金関係の差押や抵当権等の情報によって、管理費を滞納している理由が推測できます。
税金を滞納していて差押が登記されていたり、消費者金融の抵当権がついていれば、経済的理由が管理費滞納の理由だと推測できます。
以上のような情報は滞納管理費の請求をする上で知っておくべき最低限の情報です。
これらの情報をもとに、さらに調査を進めたり、滞納管理費の請求をしたりすることになるので、最初の調査が肝心です。