「管理者」とは、簡単に言えば、全区分所有者の代理人です(区分所有法26Ⅱ)。
管理者が職務の範囲内で行った法律行為の効果は、全区分所有者に帰属することになります。
そして、その行為については、全区分所有者が責任を負います(同29Ⅰ)。
標準管理規約と同じ内容の規約があるマンションにおいては、理事長が管理者になります。
すなわち、理事長が職務の範囲内でした行為の責任を、全区分所有者が負うことになるので、注意が必要です。
管理者の要件として、区分所有者であることなどの限定はありませんので(同25Ⅰ参照)、
外部の人間や、管理会社などの法人を管理者とすることもできます。
しかし、管理会社を管理者とすることには疑問があります。
管理会社は、全区分所有者とマンションの管理委託契約を締結している関係にありますが、
前述したとおり、管理者は、全区分所有者の代理人ですので、利益相反のおそれがあります。
また、外部の人間を管理者とすることも考えられますが、
外部の人間はマンションとの関係性が希薄ですので、熱心に職務を遂行しない可能性があります。
基本的には、標準管理規約同様に理事長を管理者とすべきだと思います。